CD/DVD や USB メモリなどのドライブの自動再生機能を無効にする
- 設定項目名
- CD/DVD や USB メモリなどのドライブの自動再生機能を無効にする
- カテゴリ
- その他
- 対応プラットフォーム
- Windows
- 搭載バージョン
- Win高速化 version 1.0
※ このページは Windows 高速化ツール Win高速化 に搭載されている設定項目の解説文になります。この設定項目を利用するには Win高速化 のインストールが必要となります。
概要
すべての種類のドライブの自動再生機能を無効にします。CD/DVD や USB メモリ、SD カードなどのメディアを挿入した際や、MP3 プレーヤーやデジタルカメラなどのデバイスを接続した際に特定のプログラムが自動的に実行されなくなります。またドライブのダブルクリックやショートカットメニューから自動再生が実行されないようになります。
詳細
Windows には自動再生 (AutoPlay) と呼ばれる機能が搭載されています。自動再生機能ではドライブにメディアを挿入すると同時にドライブの読み込みが開始され、自動的に次のいずれかの処理が実行されます。
- 自動実行 (AutoRun) で指定されたプログラムの実行 (詳細)
- メディアの種類に応じた動作を選択する自動再生ダイアログの表示 (詳細)
- あらかじめ設定しておいたメディアの種類に応じた既定の動作 (詳細)
自動再生はメディアの利便性を向上させる機能です。たとえば自動再生機能によって次のような動作が実現されます。
- インストールディスクを CD-ROM ドライブに挿入すると、自動的にセットアッププログラム (インストーラー) が開始される
- 音楽 CD を CD-ROM ドライブに挿入すると、自動的に音楽プレーヤーが起動して音楽が再生される
- 映画 DVD を DVD ドライブに挿入すると、自動的に DVD 再生ソフトが起動して映画が再生される
- 音楽ファイルが保存された USB メモリを USB ポートに差し込むと、自動的にエクスプローラーが起動される
- 画像ファイルが保存された SD カードをカードリーダーに差し込むと、自動的にスライドショーが開始される
- MP3 プレーヤーを USB 接続すると、自動的に音楽管理ソフトが起動される
- デジタルカメラを USB 接続すると、自動的に画像管理ソフトが起動される
メディアを利用する上で自動再生は大変便利な機能ですが、メディア挿入時に自動的に処理が開始されるため、状況によっては逆に使い勝手が悪くなることもあります。自動再生が望ましくない状況として、たとえば次のような場合が考えられます。
この設定を有効にすると、すべての種類のドライブでの自動再生機能が無効になります。メディア挿入時やデバイス接続時に自動的に実行される自動再生や、ドライブのダブルクリックやショートカットメニューから手動で実行される自動再生が無効となります。
自動実行 (AutoRun)
メディア挿入時に特定のプログラムを自動的に起動する仕組みを自動実行 (AutoRun) と呼びます。自動実行機能で起動されるプログラムはメディアのルートディレクトリに配置された autorun.inf ファイルによって指定されます。autorun.inf ファイルでは次のような項目を定義することができます。
- 自動的に実行されるプログラム
- ドライブ右クリック時に表示されるメニュー項目
- ドライブアイコン
※ Vista 以降の Windows (Vista, 7 など) では autorun.inf ファイルで指定されたプログラムは直接実行されずに自動再生ダイアログが表示されます。このとき autorun.inf ファイルで指定されたプログラムを実行する動作が、自動再生ダイアログの選択項目として追加されます。
主に自動実行機能はインストールディスクのセットアッププログラム (インストーラー) を起動するために使われます。たとえば Windows XP 環境で Windows XP のインストールディスクを挿入すると自動的に次のプログラムが起動します。
自動実行機能は次のような操作によって任意のタイミングで利用することができます。
- ドライブをダブルクリック
- ドライブを右クリックして [自動再生を開く] または [自動再生] を選択
自動再生 (AutoPlay) と自動実行 (AutoRun)
自動再生 (AutoPlay) と自動実行 (AutoRun) はどちらもメディア挿入時に特定のプログラムを自動的に起動するための機能です。ただし自動再生と自動実行とでは自動的に起動するプログラムを特定する仕組みが異なります。自動再生機能では自動再生ダイアログやあらかじめ設定された既定の動作によって、自動実行機能ではメディアに格納された autorun.inf ファイルによって起動するプログラムが特定されます。
自動再生ダイアログ
ドライブにメディアを挿入すると、実行する動作を選択するために自動再生ダイアログが表示されます。自動再生ダイアログではメディアの種類や現在のコンピューター環境に応じて選択できる動作が異なります。たとえば Windows Vista 環境で音楽 CD を挿入すると次のようなダイアログが表示されます。
メディアのスキャン
メディアが挿入されるとメディアの種類 (コンテンツの種類) を判定するためにメディアの中身がスキャンされ、ピクチャ、ビデオファイル、オーディオファイルなどのコンテンツの有無がチェックされます。スキャン中は自動再生ダイアログが表示され、スキャンの進捗状況が表示されます。メディアに多数のファイルが含まれている場合やフォルダー階層が深い場合、ドライブの転送速度が遅い場合などはスキャンに一定の時間を要します。スキャンに時間がかかる場合スキャン中は自動再生ダイアログが表示された状態となります。
あらかじめメディアの種類に応じた既定の動作が設定されている場合、設定済みの既定の動作が直接実行されます。自動再生ダイアログは原則表示されませんが、メディアのスキャンはスキップされないため、スキャン中は自動再生ダイアログが表示されることになります (詳細)。
メディアの種類に応じた既定の動作
自動再生機能ではメディアの種類に応じて自動的に実行される既定の動作を設定することができます。既定の動作が設定されている場合、メディアを挿入すると自動再生ダイアログで動作を選択することなく既定の動作が直接実行されます。
既定の動作はコントロールパネルまたはドライブのプロパティから設定します。また自動再生ダイアログの [? に対しては常に次の動作を行う] / [常に選択した動作を行う。] チェックボックスから設定することもできます。
既定の動作とメディアのスキャン
既定の動作が設定されているかどうかや設定済みの既定の動作の内容に関わらず、メディアを挿入するとメディアの種類 (コンテンツの種類) を判定するために必ずメディアのスキャンが実行されます。そのため既定の動作が設定されている場合は、スキャン中は自動再生ダイアログが表示され、スキャンが完了すると自動的にダイアログが閉じ、それから既定の動作が実行されることになります。これは既定の動作が「何もしない」と設定されている場合であっても同様です。メディアのスキャン (スキャン中の自動再生ダイアログの表示) を実行しないようにするには、この設定を有効にして自動再生を無効にする必要があります。
コントロールパネル – ハードウェアとサウンド – 自動再生 (Windows Vista)
ドライブのプロパティ – [自動再生] タブ (Windows XP)
[Shift] キーによる自動再生の制限
[Shift] キーを押し続けながらメディアを挿入すると自動再生機能が次のように制限されます。
- Vista より前の Windows (98, Me, 2000, XP など)
- 自動再生機能が一時的に無効となり、プログラムの自動実行や自動再生ダイアログの表示が行われない
- Vista 以降の Windows (Vista, 7 など)
- 設定済みの既定の動作が無視され、既定の設定に関係なく常に自動再生ダイアログが表示される
※ 右 [Shift] キーを 8 秒間押し続けるとフィルター キー機能が有効となる場合があります。特に理由がない場合は左 [Shift] キーの利用を推奨します。
- Windows Vista ステップ バイ ステップ ガイド 切り替えキー / フィルタ キー
- Windows XP ステップ バイ ステップ ガイド :フィルタ キー機能 (間違ったキー入力を無視したりキー入力の間隔を長くする)
- ショートカットによるフィルタ キー機能の有効化
自動実行 (AutoRun) を悪用するウイルス
近年の USB メモリの普及に伴い USB メモリ経由で感染するコンピューターウイルスが流行しています。これらのウイルスは自動実行 (AutoRun) の仕組みを悪用しているため、USB メモリの中身を開こうとすると、状況によっては USB メモリを差し込むだけでウイルスに感染してしまいます。
自動再生によって悪意のあるプログラムが実行されないようにするため、次のような対策を心がけてください。
- メディア挿入時に自動実行されないようにする
-
- ドライブの自動再生を無効にする (この設定を有効にする)
- 自動再生を無効にしない場合は [Shift] キーを押しながらメディアを挿入する (既定の動作を無視する / 自動再生を一時的に無効にする)
- 自動再生ダイアログで autorun.inf によって提供される動作を選択しない
-
- [プログラムのインストール/実行] 欄の動作を選択しない (Windows Vista, Server 2008, 7)
- [デバイスで提供されたプログラム使用] を選択しない (Windows XP, Server 2003)
- エクスプローラーのアイコンが偽装されている場合があるため安易にエクスプローラーを選択しない
- ドライブは常にクリックして [開く] から開く
-
- ドライブをダブルクリックして開かない
- ドライブを右クリックして [自動再生を開く] / [自動再生] を選択しない
- メディアの中身をチェックする
-
- ルートディレクトリに心当たりのない autorun.inf ファイルがある場合は削除する
- メディア内に心当たりのない EXE ファイルなどがある場合は削除する
- メディアの挿入 / 取り出し時にウイルススキャンを行う
特定の更新プログラムが適用されていない環境ではこの設定を有効にしても、ドライブのダブルクリックやショートカットメニューから実行される自動再生は無効となりません。自動実行 (AutoRun) を完全に無効にするか、ドライブは常に右クリックして [開く] から開くように注意してください。
USB メモリの自動実行
Web などで見かけるUSB メモリは自動実行 (autorun.inf) に対応していない
やUSB メモリを差し込んだだけでは感染しない
などといった記述は多くの場合誤りです。たとえば USB メモリ内に autorun.inf ファイルがある場合、不用意にドライブをダブルクリックするだけで悪意のあるプログラムが起動されるおそれがあります。また次のような環境では USB メモリを差し込むだけでウイルスに感染する可能性があります。
- 既定の動作によって実行されるプログラムが偽装されている場合 (ソフトウェアが収録された USB メモリの悪用など)
- USB メモリ内の autorun.inf ファイルを解析して実行するユーティリティを利用している場合
- 仮想 CD-ROM など独自の自動実行機能を搭載した USB メモリを利用している場合
多くの環境で USB メモリを差し込んだだけではウイルスに感染しにくいのは事実ですが、セキュリティ的なリスクがある以上「感染しにくい」を「感染しない」とまで言い切ることは危険です。
自動実行 (AutoRun) の完全な無効化
サポート技術情報 967715 またはサポート技術情報 971029 で提供される更新プログラムが適用されていない場合、この設定を有効にしても自動実行 (AutoRun) は完全には無効となりません。メディア挿入時およびデバイス接続時の自動再生は行われませんが、次のようなユーザー操作によって手動で実行される自動再生は無効となりません。
- ドライブをダブルクリック
- ドライブを右クリックして [自動再生を開く] または [自動再生] を選択
自動実行 (AutoRun) を悪用するウイルス対策 (詳細) などのため自動実行 (AutoRun) を完全に無効とする場合は、サポート技術情報 967715 またはサポート技術情報 971029 で提供される更新プログラムを適用する必要があります。
- マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ (967940): Windows Autorun (自動実行) 用の更新プログラム
- Windows の自動実行機能を無効にする方法 (KB967715)
- Windows の自動再生機能の更新プログラム (KB971029)
自動実行 (AutoRun) を完全に無効にすると次のような変更が適用されます。
- ドライブをダブルクリックするとエクスプローラーが起動する
- ドライブのショートカットメニューから [自動再生を開く] または [自動再生] が削除される
Windows の各バージョンにおける自動再生機能
Windows 95 から搭載されている自動再生機能は Windows の新バージョンがリリースされるたびに機能が強化されてきました。主要な Windows における各バージョン間の仕様の違いをまとめると次のようになります。
- Windows 9x (98, Me など)
- この設定を有効にしても 音楽 CD の自動再生機能は無効とならない
- XP より前の Windows (98, Me, 2000 など)
- 次の項目の自動再生に対応 (それ以外の種類には未対応)
- 自動実行 (AutoRun) で指定されたプログラムの実行
- 音楽 CD の再生
- 映画 DVD の再生 (Windows 2000 以降)
- XP 以降の Windows (XP, Vista, 7 など)
- 「自動再生ダイアログ」および「既定の動作」の導入
- Vista より前の Windows (98, Me, 2000, XP など)
- [Shift] キーを押しながらメディアを挿入すると自動再生機能が一時的に無効化される
- Vista 以降の Windows (Vista, 7 など)
- autorun.inf ファイルで指定されたプログラムは直接実行されない (必ず自動再生ダイアログが表示される)
- [Shift] キーを押しながらメディアを挿入すると常に自動再生ダイアログが表示される
対応メディア
参考までに、自動再生機能が対応する主要なメディアは次のとおりです。
- CD-ROM, CD-DA, CD-R, CD-RW (CD)
- DVD-ROM, DVD-Audio, DVD-Video, DVD-R, DVD-RW, DVD-RAM (DVD)
- USB メモリ
- SD メモリ カード
- 外付けハードディスク
- ネットワークドライブ (リモートドライブ)
- フロッピーディスク
※ 一般的にフロッピーディスクの挿入はコンピューターに通知されません。そのためフロッピーディスクを挿入したタイミングでは自動再生されません。フロッピーディスクの自動再生を利用するには、フロッピーディスクドライブのダブルクリックやショートカットメニューの [自動再生を開く] / [自動再生] を選択します。
メディアの種類
参考までに、Windows Vista の自動再生機能で定義されている主なメディアの種類は次のとおりです。
- オーディオ CD (音楽など)
- DVD ムービー (映画など)
- ソフトウェアとゲーム
- ピクチャ (BMP, JPEG, PNG などの画像ファイル)
- ビデオファイル (AVI, MPEG, WMV などの動画ファイル)
- オーディオファイル (WAVE, MP3, WMA などの音声ファイル)
- 混在したコンテンツ (ピクチャ、ビデオ、オーディオの混在)
参考リンク
- Windows 7
- Windows Vista
-
- 今週の快適 Windows Tips | メディアの自動再生プログラムを変更する
- Windows Vista ヘルプ | 自動再生の設定を変更する
- Windows Vista ヘルプ | CD および DVD が自動的に再生されるように Windows をセットアップする
- Windows Vista ヘルプ | CD および DVD を自動的に再生しないようにする
- Windows Vista ヘルプ | 自動再生 : よく寄せられる質問
- Windows Vista ヘルプ | 自動再生の問題のトラブルシューティング
- PC とーく – Windows Vista で CD やメモリ カードが自動再生されるようにするには?
- Windows XP
- XP より前の Windows (98, Me, 2000 など)
-
- CD-ROMの自動起動をOFFにする方法 (Windows 2000)
- CD-ROM の自動再生を止めるには (Windows Me)
- CD-ROM および音楽 CD の自動再生機能を無効にする方法 (Windows 98)
- その他