クラシックスタートメニューの使用を強制する
- 設定項目名
- クラシックスタートメニューの使用を強制する
- カテゴリ
- デスクトップ
- 対応プラットフォーム
- Windows XP, Vista, 7, Server 2003 (R2), Server 2008, Server 2008 R2
- 搭載バージョン
- Win高速化 version 1.0
※ このページは Windows 高速化ツール Win高速化 に搭載されている設定項目の解説文になります。この設定項目を利用するには Win高速化 のインストールが必要となります。
概要
以前のバージョンの Windows で使われていたクラシックスタートメニューを強制的に使用するようにします。スタートボタンを押すと XP より前の Windows (98, Me, 2000 など) で採用されていた従来のシンプルなスタートメニューが表示されます。またスタートメニューに表示されていたコンピュータ (マイコンピュータ) やドキュメント (マイドキュメント) などがデスクトップアイコンとして表示されるようになります。
詳細
Windows XP および Windows Vista ではスタートメニューのスタイルがそれまでの Windows から一新され、機能やデザインが大幅に改良されています (詳細)。
たとえば Windows XP のスタートメニューには標準の Web ブラウザーと電子メールプログラム、よく使用するプログラムのリスト、そして従来はデスクトップに表示されていたコンピュータ (マイコンピュータ) やドキュメント (マイドキュメント) などが表示されます。また Windows Vista のスタートメニューには、コンピューター内のアプリケーションやファイルなどをすばやく検索できるクイック検索ボックスが表示されます。
一方 XP より前の Windows (98, Me, 2000 など) ではクラシックスタートメニューと呼ばれるシンプルなメニュースタイルが採用されています。クラシックスタートメニューではプログラムや Windows の終了 (シャットダウン) などの基本的な項目のみが表示されます。従来のコンパクトで軽快なクラシックスタートメニューに慣れている場合、より多くの項目や機能が統合されている新しいスタイルのスタートメニューは使いにくいと感じるかもしれません。
この設定を有効にすると、以前のバージョンの Windows で使われていたクラシックスタートメニューが強制的に使用されるようになります。スタートボタンを押すと XP より前の Windows で採用されていた従来のシンプルなスタートメニューが表示され、従来のスタートメニューの機能とデザインを使うことができます。またあわせて標準のデスクトップアイコンが使われるようになり、新しいスタイルのスタートメニューに表示されていたコンピュータ (マイコンピュータ) やドキュメント (マイドキュメント) などがデスクトップアイコンとして表示されるようになります。
なお Windows 7 はクラシックスタートメニューに対応していないため、Windows 7 でこの設定を有効にしてもクラシックスタートメニューは表示されません。コンピューターやドキュメントなどの項目がデスクトップに表示されるのみとなります。
※ この設定はクラシックスタートメニューの使用を強制するものです。一方スタートメニューのプロパティからはクラシックスタートメニューの使用する/しないを自由に切り替えることができます。クラシックスタートメニューの使用を強制する理由が特にない場合はスタートメニューのプロパティから設定を変更するよう推奨します (詳細)。
スクリーンショット
参考までに、設定変更前と後のスタートメニューは次のようになります。ただしデスクトップテーマやスタートメニューの設定などによりスタートメニューの外観や表示項目は異なります。
スタートメニュー (Windows Vista)
設定変更前 – 新しいスタイルのスタートメニュー
設定変更後 – クラシックスタートメニュー
スタートメニュー (Windows XP)
設定変更前 – 新しいスタイルのスタートメニュー
設定変更後 – クラシックスタートメニュー
タスクバーとスタートメニューのプロパティ
[タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] を使用して、新しいスタイルのスタートメニューからクラシックスタートメニューに切り替えることができます。[タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] からクラシックスタートメニューを使用するように設定する手順は次のとおりです。
- タスクバーを右クリックして [プロパティ] を選択する
- [[スタート] メニュー] タブを選択する
- [クラシック [スタート] メニュー] を選択して [OK] ボタンを押す
Windows 7 の [タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] にはスタートメニューのスタイルを変更するための設定項目がありません。そのため Windows 7 では新しいスタイルのスタートメニューからクラシックスタートメニューに切り替えることができず、クラシックスタートメニューを使用することができません。
- Windows Vista ヘルプ | [スタート] メニューをクラシック表示に変更する
- [スタート] メニューを編集するには (Windows XP)
- Windows XP ステップ バイ ステップのチュートリアル: スタート メニューのクラシック表示や動作を指定する
クラシックスタートメニューの強制
この設定を有効にするとクラシックスタートメニューの使用が強制されるようになり、[タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] の [[スタート] メニュー] タブから [[スタート] メニュー] オプションが削除されます。そのため [タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] を使用してクラシックスタートメニューから新しいスタイルのスタートメニューに戻せなくなります。
この設定を有効にすると、[タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] から新しいスタイルのスタートメニューに戻せなくなるため、トラブルの要因となるおそれがあります。クラシックスタートメニューの使用を強制する理由が特にない場合は、[タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] からクラシックスタートメニューを使用する設定への変更を推奨します。[タスクバーと [スタート] メニューのプロパティ] を使用すると、新しいスタイルのスタートメニューとクラシックスタートメニューとを自由に切り替えることができます。
デスクトップアイコン
この設定またはスタートメニューのプロパティからクラシックスタートメニューを使用するように設定した場合、標準のデスクトップアイコンが表示されるようになります。このときデスクトップに表示される主な項目は次のとおりです。
- Windows XP
- マイ ドキュメント、マイ コンピュータ、マイ ネットワーク、Internet Explorer
- Windows Vista
- [ユーザー] フォルダ、コンピュータ、ネットワーク、コントロールパネル、Internet Explorer
- Windows 7
- [ユーザー] フォルダー、コンピューター、ネットワーク、コントロールパネル、ホームグループ
クラシックスタートメニューから新しいスタイルのスタートメニューに切り替えると、上記の項目がデスクトップから削除されスタートメニューに表示されるようになります。そのためデスクトップがウィンドウなどで隠れている場合であってもスタートメニューから直接実行できるようになります。
Windows の各バージョンにおけるスタートメニュー
Windows のスタートメニューは Windows の新バージョンがリリースされるたびに機能やデザインが強化されてきました。スタートメニューの外観および動作は Windows のバージョンによって次のように異なります。
XP より前の Windows (98, Me, 2000 など)
縦一列のシンプルなメニューで、プログラム、最近使ったファイル、設定、検索、ヘルプ、ファイル名を指定して実行、Windows の終了 (シャットダウン)、Windows Update などの項目が表示されます。[プログラム] の内容はツリー形式で展開されます。XP より前の Windows のメニュースタイルはクラシックスタートメニューと呼ばれます。
Windows XP, Server 2003
スタートメニューに表示される項目が大幅に増え二段のメニューで表示されるようになりました。
左側のアプリケーション部分にはインターネットと電子メール、よく使用するプログラムのリスト、すべてのプログラムなどの項目が表示されます。よく使用するプログラムに表示される項目はアプリケーションの使用頻度によって自動的に変わります。[すべてのプログラム] の内容はツリー形式で展開され、新しくインストールされたアプリケーションは強調表示されます。
右側のファイル・フォルダー部分には最近使ったファイル、コントロールパネル、検索、ファイル名を指定して実行などのほか、それまでデスクトップに置かれていたマイコンピュータやマイドキュメントなどの項目が表示されます。
メニューの上部にはユーザー名が、下部にはログオフと終了オプションが表示されます。クラシックスタートメニューと比べてスタートメニューのカスタマイズ性が向上しています。
Windows Vista, Server 2008
スタートボタンやスタートメニューのデザインが新しくなりました。Windows Aero によって Aero グラスと呼ばれるガラスのような半透明効果がスタートメニューに適用され、デスクトップの背景などが透けて表示されます。
スタートメニューに組み込まれたクイック検索ボックスを使用すると、コンピューター内のアプリケーションやファイルなどをすばやく簡単に検索できます。スタートメニューに含まれるアプリケーションをはじめとして、コンピューター内のファイルやコントロールパネル、Internet Explorer のお気に入りや履歴などを検索することができます。クイック検索ボックスにキーワードを入力すると検索結果がスタートメニュー内に表示されます。
また [ファイル名を指定して実行] 相当の機能がスタートメニューのクイック検索ボックスに統合され、クイック検索ボックスに入力した文字列をコマンドとして実行できるようになりました。そのため Vista より前の Windows (98, Me, 2000, XP など) で表示されていたスタートメニューの [ファイル名を指定して実行] は、Vista 以降の Windows (Vista, 7 など) ではデフォルトで表示されません。
[すべてのプログラム] の内容はツリー形式ではなくリスト形式で展開されます。[すべてのプログラム] 内のフォルダーを開くとスタートメニュー内に一覧が表示されます。
スタートメニューの右下には [電源] ボタンと [ロック] ボタンが表示されます。[電源] ボタンを押すと新たに Windows の標準的な起動・終了方法となったスリープモードに切り替わり、電力 (バッテリー) をほとんど消費しない状態となります。[電源] / [ロック] ボタン横の矢印のボタンを押すとシャットダウンやログオフ、再起動などを行うためのドロップダウンメニューが表示されます。
- Windows Vista ヘルプ | [スタート] メニューの新機能
- Windows Vista ヘルプ | [ファイル名を指定して実行] コマンドについて
- PC とーく – Windows Vista のシャットダウン、スリープ、休止状態ってどう違うの?
ハイブリッドスリープ
Windows Vista では Windows の標準的な起動・終了方法としてスリープモードが採用されています。スリープ状態に移行するとその時点の作業状態が保存され省電力状態に切り替わります。スリープ状態から復帰すると保存した作業状態が復元されすぐに作業を再開できます。Windows Vista, Server 2008 のスリープモードは「スタンバイモードの移行と復帰の速さ」と「休止状態のデータ保護と低電力消費」という両方の特性を兼ね備えていることから、技術的にはハイブリッドスリープと呼ばれます。従来の標準的な起動・終了方法であるシャットダウンによるコンピューターの電源オン・オフと比べると、ハイブリッドスリープは起動・終了時間を大幅に短縮できるデータの安全性と省電力性に優れた機能といえます。なお従来の Windows と同じように [電源] ボタンからコンピューターのシャットダウンを行いたい場合は、コントロールパネルの電源オプションを使用してスタートメニューの [電源] ボタンの動作をスリープからシャットダウンに変更します。
- Windows Vista ヘルプ | スタンバイと休止状態の変更点
- Windows Vista ヘルプ | コンピュータの電源を正しくオフにする
- すぐに役立つワンポイント レッスン | Windows Vista の「スリープ」で起動のイライラを解消!
- Windows Vista vs Windows XP どちらのパフォーマンスが優れているか? – 検証 1. PC の起動時間
- 「スリープ」と「休止状態」の違いを知る │ マイクロソフト At Home マガジン
- Windows Vista の電源ボタンでコンピュータをシャットダウンするように設定する方法
Windows 7
Windows の標準的な起動・終了方法がスリープからシャットダウンに戻されました。Microsoft はシャットダウンの代わりにスリープを活用するよう推奨していましたが、一般的なパソコンの利用スタイルと合わず、結果的に多くのユーザーに受け入れられなかったことが要因と思われます。代わりにスタートメニューのプロパティから電源ボタンの動作を簡単にカスタマイズできるようになっています。
またスタートメニュー内に表示されるプログラムのリストでは、各項目の横にある矢印のボタンから最近使ったファイルにアクセスできるようになりました。そのため従来のスタートメニューに表示されていた [最近使ったファイル] または [最近使った項目] は Windows 7 では表示されません。
グループポリシーの利用
グループポリシーが搭載されている Windows では、グループポリシーを使用してこの設定と同等の設定を編集することができます。グループポリシーからクラシックスタートメニューの使用を強制する手順は次のとおりです。
- スタートメニューのクイック検索ボックスに「gpedit.msc」と入力して [Enter] キーを押す
- 左側のツリーで [ローカル コンピューター ポリシー] – [ユーザーの構成] – [管理用テンプレート] – [タスク バーと [スタート] メニュー] を選択する
- 右側の設定一覧から [従来の [スタート] メニューを強制する] または [強制的に従来のスタートメニューを使用します] を開き [有効] を選択する
※ グループポリシー (エディター) は家庭向けの Windows (XP Home Edition, Vista Home Basic, Vista Home Premium, 7 Home Premium など) には搭載されていません。