第10章 ソースのための目録タグ

目次

全てのファイルについての二つの名前
どうしてそんな仕組みがあるのか — 目録タグの目的
タグに関する選択 — tagging-method の導入
タグづけの方法の設定
名前によるタグづけの利用
明示的なタグづけの方法の利用
暗黙的な目録の利用
物事を単純に保つこと
hello-world プロジェクトのタグづけ
ファイルにタグづけする他の方法
tree-lint を黙らせること

注意: 学習曲線について: 前の章のように、この章で導入される概念とコマンドは他のリビジョン管理システムを使った ことがあるとしても、あまりなじみのないものだと思います。しかし、ひとたび 「分かってしまえば」非常に自然なものであることがわかるでしょう。 なによりもまず、この章はアーカイブにプロジェクトツリーを保存し始める前にやって おかなくてはならない、最後の重要なステップです。

全てのファイルについての二つの名前

arch の世界では、プロジェクトツリー中の全てのソースファイル(とディレクトリ)は、 ふたつの名前を持ちます: "ファイルパス"と、"目録タグ" です。

ファイルのファイルパスは、常に文字列 ./ で始まり、相対パス名称が続きます。それは、ソースツリー中でそのファイルがどこに あるかを記述するものです。

ファイルの目録タグは、ツリー中のファイルに対して一意になるように つけられた、(ほとんど)任意の文字列です。

普通、ファイルが移動すると、ファイルパスは変わりますが、 その目録タグは保存されます。

たとえば、以下のようなツリーとファイルがあるとします:

        file path               inventory tag
        ---------               -------------

        ./hw.c                  i_tag_hw
        ./main.c                i_tag_main

しかし、その後 hw.chello.cに名称変更しました。 その後では、以下のようになります:

        file path               inventory tag
        ---------               -------------

        ./hello.c               i_tag_hw
        ./main.c                i_tag_main

この章はどのようにしてタグがファイルに割り当てられるか、どのようにして タグが管理されるか、そしてどのようにしてそれらがarch で利用されるか、について説明します。