第1章 はじめに

目次

概要
TortoiseMergeの歴史

概要

TortoiseMerge はフリーでオープンソースのアプリケーションです。テキストファイルの差分を表示したり、変更点をマージしたり、 パッチ と呼ばれる Unified 差分ファイルを検査したり適用したりすることができます。

任意のプログラム言語のソースファイルや、ドキュメントや Web サイトの html/xml ファイルといったテキストファイルで作業していると、そのファイルの異なるバージョンと比較したくなる状況があるでしょう。他の誰かが行ったバージョンとの差分を得たり、自分がどのような変更を行ったか見るといったことです。

Subversion のようなバージョン管理システムを使用して作業を行っていると、作業コピーを更新する時に 競合 が発生することがあります。これは、作業コピーに変更を加えた部分と同じ部分に対して、他の誰かが別の変更を加えたことによって発生します。競合は手作業で解決しなければなりません。 TortoiseMerge はこの作業を助けてくれます。

競合時のファイルの関係を、以下の図に示します。

図1.1 ファイルの競合

ファイルの競合

古くなってしまったパッチファイルを適用しようとしたときにも、競合が発生します。この場合 TortoiseMerge を使用しなければ、現在のバージョンに対するパッチファイルがないか人に尋ねたり、パッチファイルを手作業で適用してみたりする必要があるでしょう。

しかし TortoiseMerge を使えば、もうこのようなことは必要ありません(少なくとも Subversion のようなバージョン管理システムを使用していないのであれば)。 TortoiseMerge はパッチを作成したリビジョン・バージョンを解析し、バージョン管理システムから特定のバージョンを自動的に取得します。その後パッチを適用し、自分の行った変更と他人の行った変更の両方を確認できるようにします。これにより、変更点を保持するかどうか決めることができます。