変更リスト

理想的な世界では、常に一度に 1 つのことしか行わず、作業コピーには論理的にひとかたまりの変更しかありません。OK。では現実に戻りましょう。複数の関係ない仕事を、一度に行わなければならないことが、よくあります。そしてそのときのコミットダイアログには、変更したファイルがすべて混ざった状態で表示されてしまいます。変更リスト 機能は、ファイルをグループにまとめ、どうするべきかを判りやすくしてくれます。もちろん、変更したファイルがかち合ってしまってはいけません。同じファイルに対する異なるタスクがある場合、変更点を分割する方法はありません。

重要

TortoiseSVN の変更リスト機能は、Windows 2000 では提供されていないシェル機能に依存しているため、Windows XP 以降でしか機能しません。申し訳ありませんが、Win2K は今となっては古すぎます。ご容赦ください。

更新リストを様々な場所で目にしますが、最も重要なのはコミットダイアログと更新チェックダイアログです。いくつかの機能とたくさんのファイルに対して作業を行い、その後で更新チェックダイアログを開きましょう。初めて更新チェックダイアログを開くと、変更のあるファイルをすべて表示します。機能に照らして、更新リストを構成し、ファイルをグループ化するとしたらどうでしょう。

変更リストに項目を追加するには、ファイルを選択して コンテキストメニュー変更リストへ移動 を使用してください。最初はチェンジリストがありません。そのため、初めて追加する際には、変更リストを作成することになります。なんのために使用するのか判る名前を、変更リストに付けて、OK をクリックしてください。ダイアログが変更され、項目のグループが表示されるようになります。

一度更新リストを作成すると、別の更新リストや Windows エクスプローラから、項目をドラッグ & ドロップできます。エクスプローラからドラッグするのは、ファイルを変更する前に更新リストに追加できるので、便利です。更新チェックダイアログからも同じことができますが、未更新ファイルすべてを表示しなければなりません。

図4.14 変更リスト付きコミットダイアログ

変更リスト付きコミットダイアログ


コミットダイアログでは、更新リストでグループ化した、同じファイルを見られます。グルーピングの直接的な表示方法は別としても、コミットするファイルを選択する際に、グループの見出しとしても利用できます。

XP では、グループ見出しを右クリックすると、グループ全体を選択・非選択にするコンテキストメニューが現れます。しかし、Vista にはコンテキストメニューは必要ありません。全項目を選択するにはグループヘッダを選択し、その後すべてチェックする場合には、選択している項目のどれかをチェックしてください。

TortoiseSVN は自身で使用する更新リストを、ignore-on-commit という名前で予約しています。これは、手元で変更があってもコミットしたくない、バージョン管理下のファイルをマークするのに使用します。この機能は、「コミット一覧からの項目の除外」 で説明します。

更新リストに属するファイルをコミットする際、通常更新リストに入れておく必要がなくなったと仮定できます。そのためデフォルトでは、コミットしたファイルは、更新リストから取り除かれます。更新リストに入れたままにしておきたい場合は、コミットダイアログの下にある、変更リストを保持する チェックボックスを使用してください。

ヒント

変更リストは完全にローカルクライアントの機能です。変更リストの作成・削除はリポジトリや他の誰かの作業コピーに影響しません。これは単にあなたがファイルを構成する、便利な方法に過ぎません。