この文書は、W3C の勧告候補 (Candidate Recommendation)、"CSS TV Profile 1.0" (2003 年 5 月 14 日付) を独自に翻訳したものです。この仕様書の正式なものは W3C のサイトにある英語版であり、その著作権は W3C が保有しています。また、翻訳に誤りがある可能性に留意してください。参照の際は原文と対比することを推奨します。

なお、この文書の翻訳にあたり、JIS 標準情報 (TR) の「段階スタイルシート 水準2(CSS2)」を参考にしました。いくつかの個所では、引用も行っていますが、技術的内容を変えない範囲で記号や用語、言い回しを変更しています。

翻訳の最終更新日: 2006 年 11 月 4 日


W3C

CSS TV Profile 1.0

W3C 勧告候補 2003 年 5 月 14 日

このバージョン:
http://www.w3.org/TR/2003/CR-css-tv-20030514
最新バージョン:
http://www.w3.org/TR/css-tv
前のバージョン:
http://www.w3.org/TR/2002/CR-css-tv-20020807
著者:
Sean Hayes (Microsoft) <shayes@microsoft.com>
Glenn Adams (invited expert, Extensible Formatting Systems Inc.) <glenn@xfsi.com>
Tantek Çelik (Microsoft) <tantekc@microsoft.com>
Håkon Wium Lie (Opera Software) <howcome@opera.com>

概要

この仕様は、テレビジョン機器の要件や制限に合わせて調整された、Cascading Style Sheets Level 2 仕様及び CSS3 Module: Color 仕様のサブセットを定義するものです。

この文書の位置付け

このセクションは、公開時点でのこの文書の位置付けについて 述べたものです。他の文書がこの文書を置き換えることがあります。 この文書群の最新の位置付けのものは、W3C で管理されています。

この仕様は、CSS ワーキンググループ (スタイルアクティビティの一環、概要参照) より提出された、勧告候補 (Candidate Recommendation)です。この文書は2002 年 8 月 7 日付の勧告候補の editorial revision であり、前勧告候補公開後に寄せられた修正案に加えて、CSS3 Module: Color の勧告候補に合わせて 'opacity' プロパティの対応値の更新が反映されています。この文書の前の案、2002 年 8 月 7 日付けの勧告候補は、2002 年 5 月 15 日付けの最終草案の更新版であり、最終段階 (Last Call) レビュー中に受けた提案、実装者からのコメント、そして W3C CSS ワーキンググループの更なる熟考を反映したものとなっています。

この仕様をレビューして実装し、公開メーリングリストwww-style (アーカイブ) に対してコメントすることが求められています (手続き参照)。W3C メンバであれば、 CSS ワーキンググループに直接コメントすることもできます。

この仕様が CR 段階を終了するには、次のような状態になることが必要です。

  1. TV Profileの「すべての」特徴を実装した、相互運用可能な実装系が、少なくとも 2 つ存在すること。実装系には特徴のスーパーセットであっても構わないが、プロファイルを満たすことが要求される。この評価の為に、次の用語を定義する。

    特徴 (feature)

    3 節及び 4 節の表の「CSS TV」行に「いいえ」と書かれていない行

    相互運用可能 (interoperable)

    CSS テストスイートの信頼できるテストケースを満たす。実装系がウェブブラウザでなければ、代替テストでも可。そのようなユーザエージェント (UA) の相互運用性の調査に用いられるのつもりであれば、テストスイートのあらゆる関連テストには、代替テストが作成されるべきである。さらに、そのような UA が相互運用性の要求に用いられるのであれば、1 つ以上の別の UA も、相互運用性というからには、その代替テストを満たすべきである。代替テストは、仲間がレビューできるよう、公開されるべきである。

    実装系 (implementation)

    次のようなユーザエージェント。

    1. 特徴を実装する。
    2. 公開されている (つまり、一般にダウンロード可能になっているか、その他一般的な流通経路で入手可能になっている). これが「公衆陳列 (show me)」要求である。
    3. 発表されている (つまり、開発版、私家版、非公式版では不充分である)。
    4. 試験目的ではない (つまり、一般の利用者向けのものであり、日常で用いることができるものられる。)
  2. CR 期間が少なくとも 6 ヶ月経過していること。これは、残された大きな問題の発見に充分な時間を確保するためである。

W3C はこの仕様が、最終草案に寄せられたすべてのコメントが処理され、安定したものであると信じています。ワーキンググループにより更新されることがありますが、それは意味合いを明確にするためだけに行われます。もし、予想外の、重要な問題が見つかったなら、草案 (Working Draft) の状態に差し戻されます。勧告候補の段階は少なくとも 6 ヶ月 (2002 年 7 月 ∼ 2003 年 1 月) の間維持されます。その後、終了条件が満たされればすぐに、勧告案 (Proposed Recommendation) へと進みます。

CSS に関連する特許開示情報は、ワーキンググループが公開している特許開示情報ページにあるかもしれません。

W3C が現在公開している勧告その他の技術文書の一覧は、http://www.w3.org/TR にあります。

目次

1. 概論

この文書は、セットトップボックスやインタラクティブテレビジョンセットのような、テレビジョンの画面に映像を出力するようになっている TV デバイスに適した、Cascading Style Sheets level 2 (CSS2) 仕様および CSS3 Module: Color 仕様のプロファイルを規定するものです。このプロファイルへ適合するというのは、ユーザエージェントが 少なくともこの仕様で定義された機能をサポートしていることを表します。この点については、この後の 2 節、適合条件で説明しています。

[CSS2] では次のように定義されています。

CSS2 はスタイルシート言語であり、これによって、文書作成者及び利用者が、フォント、スペーシング、聴覚キューなどのスタイルを、HTML 文書、XML アプリケーションなどの構造化文書に付加することができます。文書の内容から文書の表示スタイルを分離することによって、CSS2 はウェブ作成及びサイト保守を簡便化します。CSS2 は CSS1 に依存し ([CSS1] 参照)、すべて妥当な CSS1 スタイルシートは妥当な CSS2 スタイルシートであって、その例外はほとんどありません。CSS2は、メディア固有のスタイルシートをサポートし、それによって文書作成者は文書の表示を視覚的ブラウザ、聴覚装置、プリンタ、点字装置、ハンドヘルド装置などに合わせることができます。

要するに、CSS2 では、複数の機器やメディアタイプで文書を表示できるスタイルシートを開発者が制作する方法を規定しています。これは非常に重要なことですが、それぞれの機器でどの機能がサポートされるかについて作成者 (author) が知ることも重要です。また、同じような機器は同じような方法で処理を行うことも重要です。さもないと、作成者は機器ごとに専用バージョンのスタイルシートを開発しなければならなくなるでしょう。その結果、コンテンツ開発のコストは上昇し、相互運用性が減少することになります。

CSS TV Profile は、テレビジョン機器向けの適合条件プロファイルを規定したもので、プロパティ、値、セレクタ、カスケーディング規則の最小限のセットを決めています。そうして得られた CSS TV Profile は、 CSS1 の大部分、CSS2 と CSS3 Module: Color の一部が含まれています。CSS TV Profile は CSS Mobile Profile の、'handheld' メディアタイプの替わりに 'tv' メディアタイプを利用するようにしたものの、厳密な意味でのスーパーセットになっています。

2. 適合条件

プロファイルというものの主な役割は、機能群のサブセットを定義し、相互運用性について最小限の保証を行うことです。CSS TV Profile の場合、ここでいう保証にあたるのは、適合するユーザエージェントが、CSS2 の適合条件 ([CSS2] の 3.2 節) に従ってこの仕様で定義され、改められ、下記に要約された機能を サポートするということです。

  1. CSS TV Profile に適合するユーザエージェント (TV-UA) は、CSS2 のメディアタイプ all および tv をサポートしなければなりません (MUST)。TV-UA は、この他の CSS2 メディアタイプについてもサポートしてもかまいません (MAY)。
  2. TV-UA は、各ソース文書について、関連づけられているスタイルシートのうち、サポートしているメディアタイプに合うものはすべて、取得しようとしなければなりません (MUST)。
  3. TV-UA はこの仕様に従ってスタイルシートの構文解析を行わなければなりません(MUST)。具体的には、TV-UA は、CSS TV Profile の @ 規則、ブロック、宣言、セレクタをすべて認識しなければなりません (MUST)。TV-UA は、サポートしているメディアタイプに適用されるプロパティを見つけたら、そのプロパティの定義に従って値を構文解析しなければなりません (MUST)。すなわち、TV-UA は、有効な値をすべて受け入れなければならず (MUST)、無効な値を含む宣言は無視しなければなりません (MUST)。TV-UA は、サポートしないメディアタイプに適用される規則を無視しなければなりません (MUST)。
  4. 文書ツリーの各要素について、TV-UA は、プロパティの定義ならびにカスケーディングおよび継承の規則に従って、適用可能なすべてのプロパティに値を与えなければなりません (MUST)。
  5. ソース文書に代替スタイルシート (HTML 4.01 [HTML401] でキーワード "alternate" が付いているものなど) が付けられている場合、TV-UA はユーザがこれらのスタイルシートからひとつを選べるようにし、選択されたスタイルシートを適用すべきです (SHOULD)。

CSS2 同様、この適合条件には付則があります。

  1. TV-UA で必要とする場合には、値を近似してもかまいません (MAY)。
  2. 特定の機器の制限 (例えば、TV-UA が色をモノクロのモニタやページにレンダリングできない) のためにこの仕様の一部を実装できない場合には、適合しないとは言わないものとします (SHALL NOT)。

作成者は、この適合条件プロファイルを使って前方互換性を活用することが推奨されます (RECOMMENDED)。作成者は、カスケーディング規則が正しく処理されることや、未知のプロパティや値は無視されることを理解した上でスタイルプロパティを使うことができるはずです。例を示します。

  h3 {
    display: inline;
    display: run-in;
  }
  

'display' プロパティで 'run-in' 値を処理できる TV-UA は、最初の宣言を受け入れ、2 つめの display 宣言で値を「上書き」します。'run-in' 値を処理できない TV-UA は、最初の display 宣言を処理し、2 番目を無視します。

3. セレクタと @ 規則

セレクタ

CSS2 では、文書ツリー内の要素に適用されるスタイル規則を、パターンマッチ規則で決定します [CSS2]。

次の表は、CSS TV Profile でのセレクタの構文をまとめたものです。CSS TV Profile ではこれらセレクタに加えて、CSS2 のグループ化機構 ([CSS2] 5.2.1 節を参照) も含まれます。

注意 非対応のセレクタは不正なものとして処理されます (同一グループの正当なセレクタにも影響します)。これは純粋な CSS1 UA が CSS2 で導入されたセレクタに遭遇した時と同じです。無論 TV-UA は CSS TV で要求される以上のセレクタを実装するのは自由です。

パターン 意味 セレクタの種類 CSS TV
* あらゆる要素と一致する 汎用セレクタ はい
E あらゆる E 要素 (すなわち、型 E の要素) と一致する 型セレクタ はい
E F あらゆる F 要素のうち、E 要素の子孫であるものと一致する 子孫セレクタ はい
E > F あらゆる F 要素のうち、要素 E の子であるものと一致する 子セレクタ はい
E:first-child 要素 E が親の最初の子である場合に、その要素 E と一致する :first-child 擬似クラス はい
E:link
E:visited
要素 E がハイパーリンクのソースアンカであって、そのハイパーリンクのターゲットがまだ訪問されていない (:link) か又は既に訪問された (:visited) ものである場合に、その要素 E と一致する。 リンク擬似クラス はい
E:active ユーザのある種の動作中に、E と一致する。 動的擬似クラス はい
E:hover ユーザのある種の動作中に、E と一致する。 動的擬似クラス いいえ
E:focus ユーザのある種の動作中に、E と一致する。 動的擬似クラス はい
E:lang(c) 型 E の要素が (人間の使う) 言語 c で表されている (文書言語が言語を 決定する方法を指定する) 場合に、その要素と一致する。 :lang() 擬似クラス いいえ
E + F あらゆる F 要素のうち、要素 E が直前にあるものと一致する。 隣接セレクタ いいえ
E[foo] あらゆる E 要素のうち、"foo" 属性が設定されているもの (値は問わない) と一致する。 属性セレクタ いいえ
E[foo="bar"] あらゆる E 要素のうち、"foo" 属性の値が "bar" とちょうど等しいものと一致する。 属性セレクタ いいえ
E[foo~="bar"] あらゆる E 要素のうち、"foo" 属性の値がスペースで区切った値のリストで、その値のひとつが "bar" とちょうど等しいものと一致する。 属性セレクタ いいえ
E[foo|="bar"] あらゆる E 要素のうち、"foo" 属性の値がハイフンで区切った値のリストで、その最初 (左から数える) の値が "bar" であるものと一致する。 属性セレクタ いいえ
E:first-line E 要素のフォーマットされた最初の行と一致する。 :first-line 擬似要素 はい
E:first-letter E 要素のフォーマットされた最初の文字と一致する。 :first-letter 擬似要素 はい
E:before E 要素の前に生成内容に一致する/生成する。 :before 擬似要素 いいえ
E:after E 要素の後ろに生成内容に一致する/生成する。 :after 擬似要素 いいえ
E.bar あらゆる E 要素のうち、class 属性 (文書の記述言語により決定される) の値がスペースで区切った値のリストで、その値のひとつが "bar" とちょうど等しいものと一致する。 クラスセレクタ はい
E#bar あらゆる E 要素のうち、ID が "bar" に等しいものと一致する。 ID セレクタ はい

@ 規則

次の表は、CSS TV Profile の @ 規則の文法をまとめたものです。

@ 規則 機能 CSS TV
@import 外部スタイルシートをインポートする。 はい
@charset スタイルシートの文字符号化の名前を指定する。 はい
@media 1 あるいは複数の特定メディアに適用されるスタイル規則の集合のグループ化を行う。 はい
@font-face ダウンロードにも用いられる、フォントファミリ名を指定する。 いいえ
@page (名前を付けることも可能な) ページボックスを指定する。 いいえ
@color-profile 名前付きの色プロファイルを指定する。 いいえ

4. プロパティ

次の表は、CSS TV Profile のプロパティとプロパティ値をまとめたものです。プロパティや値の定義については、[CSS2] を参照してください。

名前 CSS TV CSS 値 初期値
'azimuth' いいえ <angle> | [ left-side | far-left | left | center-left | center | center-right | right | far-right | right-side ] || behind ] | leftwards | rightwards | inherit center
'background' ['background-color' || 'background-image' || 'background-repeat' || 'background-position'] | inherit ['background-color' || 'background-image' || 'background-repeat' || 'background-attachment' || 'background-position'] | inherit 個々のプロパティを参照
'background-attachment' いいえ scroll | fixed | inherit scroll
'background-color' はい <color> | transparent | inherit transparent
'background-image' はい <uri> | none | inherit none
'background-position' はい [ [ <percentage> | <length> ]{1,2} | [ [top | center | bottom] || [left | center | right] ] ] | inherit 0% 0%
'background-repeat' はい repeat | repeat-x | repeat-y | no-repeat | inherit repeat
'border' はい [ <border-width> || <border-style> || <border-color> ] | inherit 個々のプロパティを参照
'border-collapse' いいえ collapse | separate | inherit separate
'border-color' はい <color>{1,4} | transparent | inherit 個々のプロパティを参照
'border-spacing' いいえ <length> <length>? | inherit 0
'border-style' はい <border-style>{1,4} | inherit 個々のプロパティを参照
'border-top' 'border-right' 'border-bottom' 'border-left' はい [ <border-width> || <border-style> || <border-color> ] | inherit 個々のプロパティを参照
'border-top-color' 'border-right-color' 'border-bottom-color' 'border-left-color' はい <color> | transparent | inherit 'color' プロパティの値
'border-top-style' 'border-right-style' 'border-bottom-style' 'border-left-style' はい <border-style> | inherit none
'border-top-width' 'border-right-width' 'border-bottom-width' 'border-left-width' はい <border-width> | inherit medium
'border-width' はい <border-width>{1,4} | inherit 個々のプロパティを参照
'bottom' はい <length> | <percentage> | auto | inherit auto
'caption-side' はい top | bottom | left | right | inherit top
'clear' はい none | left | right | both | inherit none
'clip' はい <shape> | auto | inherit auto
'color' はい <color> | inherit ユーザエージェントによる
'content' いいえ [ <string> | <uri> | <counter> | attr(X) | open-quote | close-quote | no-open-quote | no-close-quote ]+ | inherit 空文字列
'counter-increment' いいえ [ <identifier> <integer>? ]+ | none | inherit none
'counter-reset' いいえ [ <identifier> <integer>? ]+ | none | inherit none
'cue' いいえ [ 'cue-before' || 'cue-after' ] | inherit 個々のプロパティを参照
'cue-after' いいえ <uri> | none | inherit none
'cue-before' いいえ <uri> | none | inherit none
'cursor' いいえ [ [<uri> ,]* [ auto | crosshair | default | pointer | move | e-resize | ne-resize | nw-resize | n-resize | se-resize | sw-resize | s-resize | w-resize| text | wait | help ] ] | inherit auto
'direction' いいえ ltr | rtl | inherit ltr
'display' inline | block | list-item | none | inherit inline | block | list-item | run-in | compact | marker | table | inline-table | table-row-group | table-header-group | table-footer-group | table-row | table-column-group | table-column | table-cell | table-caption | none | inherit inline
'elevation' いいえ <angle> | below | level | above | higher | lower | inherit level
'empty-cells' いいえ show | hide | inherit show
'float' はい left | right | none | inherit none
'font' はい [ [ 'font-style' || 'font-variant' || 'font-weight' ]? 'font-size' [ / 'line-height' ]? 'font-family' ] | caption | icon | menu | message-box | small-caption | status-bar | inherit 個々のプロパティを参照
'font-family' はい [[ <family-name> | <generic-family> ],]* [ <family-name> | <generic-family> ] | inherit ユーザエージェントによる
'font-size' はい <absolute-size> | <relative-size> | <length> | <percentage> | inherit medium
'font-size-adjust' いいえ <number> | none | inherit none
'font-stretch' いいえ normal | wider | narrower | ultra-condensed | extra-condensed | condensed | semi-condensed | semi-expanded | expanded | extra-expanded | ultra-expanded | inherit normal
'font-style' はい normal | italic | oblique | inherit normal
'font-variant' はい normal | small-caps | inherit normal
'font-weight' はい normal | bold | bolder | lighter | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 600 | 700 | 800 | 900 | inherit normal
'height' はい <length> | <percentage> | auto | inherit auto
'left' はい <length> | <percentage> | auto | inherit auto
'letter-spacing' いいえ normal | <length> | inherit normal
'line-height' はい normal | <number> | <length> | <percentage> | inherit normal
'list-style' はい [ 'list-style-type' || 'list-style-position' || 'list-style-image' ] | inherit 個々のプロパティを参照
'list-style-image' はい <uri> | none | inherit none
'list-style-position' はい inside | outside | inherit outside
'list-style-type' disc | circle | square | decimal | lower-roman | upper-roman | lower-alpha | lower-latin | upper-alpha | upper-latin | none | inherit disc | circle | square | decimal | decimal-leading-zero | lower-roman | upper-roman | lower-greek | lower-alpha | lower-latin | upper-alpha | upper-latin | hebrew | armenian | georgian | cjk-ideographic | hiragana | katakana | hiragana-iroha | katakana-iroha | none | inherit disc
'margin' はい <margin-width>{1,4} | inherit 個々のプロパティを参照
'margin-top' 'margin-right' 'margin-bottom' 'margin-left' はい <margin-width> | inherit 0
'marker-offset' いいえ <length> | auto | inherit auto
'marks' いいえ [ crop || cross ] | none | inherit none
'max-height' いいえ <length> | <percentage> | none | inherit none
'max-width' いいえ <length> | <percentage> | none | inherit none
'min-height' いいえ <length> | <percentage> | inherit 0
'min-width' いいえ <length> | <percentage> | inherit ユーザエージェントによる
'orphans' いいえ <integer> | inherit 2
'outline' はい [ 'outline-color' || 'outline-style' || 'outline-width' ] | inherit 個々のプロパティを参照
'outline-color' はい <color> | invert | inherit invert
'outline-style' はい <border-style> | inherit none
'outline-width' はい <border-width> | inherit medium
'overflow' いいえ visible | hidden | scroll | auto | inherit visible
'padding' はい <padding-width>{1,4} | inherit 個々のプロパティを参照
'padding-top' 'padding-right' 'padding-bottom' 'padding-left' はい <padding-width> | inherit 0
'page' いいえ <identifier> | auto auto
'page-break-after' いいえ auto | always | avoid | left | right | inherit auto
'page-break-before' いいえ auto | always | avoid | left | right | inherit auto
'page-break-inside' いいえ avoid | auto | inherit auto
'pause' いいえ [ [<time> | <percentage>]{1,2} ] | inherit ユーザエージェントによる
'pause-after' いいえ <time> | <percentage> | inherit ユーザエージェントによる
'pause-before' いいえ <time> | <percentage> | inherit ユーザエージェントによる
'pitch' いいえ <frequency> | x-low | low | medium | high | x-high | inherit medium
'pitch-range' いいえ <number> | inherit 50
'play-during' いいえ <uri> mix? repeat? | auto | none | inherit auto
'position' static | relative | absolute | inherit static | relative | absolute | fixed | inherit static
'quotes' いいえ [ <string><string>]+ | none | inherit ユーザエージェントによる
'richness' いいえ <number> | inherit 50
'right' はい <length> | <percentage> | auto | inherit auto
'size' いいえ <length>{1,2} | auto | portrait | landscape | inherit auto
'speak' いいえ normal | none | spell-out | inherit normal
'speak-header' いいえ once | always | inherit once
'speak-numeral' いいえ digits | continuous | inherit continuous
'speak-punctuation' いいえ code | none | inherit none
'speech-rate' いいえ <number> | x-slow | slow | medium | fast | x-fast | faster | slower | inherit medium
'stress' いいえ <number> | inherit 50
'table-layout' いいえ auto | fixed | inherit auto
'text-align' left | right | center | justify | inherit left | right | center | justify | <string> | inherit ユーザエージェントと書字方向による
'text-decoration' none | [ underline || overline || line-through ] | inherit none | [ underline || overline || line-through || blink ] | inherit none
'text-indent' はい <length> | <percentage> | inherit 0
'text-shadow' いいえ none | [<color> || <length> <length> <length>? ,]* [ <color> || <length> <length> <length>?] | inherit none
'text-transform' はい capitalize | uppercase | lowercase | none | inherit none
'top' はい <length> | <percentage> | auto | inherit auto
'unicode-bidi' いいえ normal | embed | bidi-override | inherit normal
'vertical-align' baseline | sub | super | top | middle | bottom | inherit baseline | sub | super | top | text-top | middle | bottom | text-bottom | <percentage> | <length> | inherit baseline
'visibility' はい visible | hidden | collapse | inherit inherit
'voice-family' いいえ [[ <specific-voice> | <generic-voice> ],]* [ <specific-voice> | <generic-voice> ] | inherit ユーザエージェントによる
'volume' いいえ <number> | <percentage> | silent | x-soft | soft | medium | loud | x-loud | inherit medium
'white-space' はい normal | pre | nowrap | inherit normal
'widows' いいえ <integer> | inherit 2
'width' はい。 TV UA は、*{max-width: 100%} と UA スタイルシート規則に実装することが出来ることに注意。これは水平スクロールの発生を避けるための措置である。 <length> | <percentage> | auto | inherit auto
'word-spacing' いいえ normal | <length> | inherit normal
'z-index' はい auto | <integer> | inherit auto

次の表は、CSS TV Profile における、CSS3 Module: Color 由来のプロパティとプロパティ値をまとめたものです。プロパティや値の定義については、[CSS3COLOR] を参照してください。

名前 CSS TV CSS 値 初期値
'color' HTML4 のキーワード, RGB と RGBA 値, transparent, orange, inherit HTML4 のキーワード, RGB, RGBA, HSL および HSLA 値, transparent, X11 キーワード, システム色, flavor, attr(X,color), inherit ユーザエージェントによる
'color-profile' いいえ auto | sRGB | <name> | <uri> | inherit auto
'opacity' はい <alphavalue> | inherit 1
'rendering-intent' no auto | perceptual | relative-colorimetric | saturation | absolute-colorimetric | inherit auto

5. CSS の構文

CSS TV Profile は、[CSS2] で規定されているのと同じ構文を使用します。CSS TV Profile は、CSS2 で使われる値のサブセットを使用します。具体的には次のとおりです。

  1. TV-UA は整数値と実数値をサポートするものとします (SHALL) ([CSS2] 4.3.1 節)。
  2. TV-UA は以下の形式の長さをサポートするものとします (SHALL) ([CSS2] 4.3.2 節)。 TV-UA は他の形式の長さをサポートしてもかまいません (MAY)。
  3. TV-UA はパーセント値をサポートするものとします (SHALL) ([CSS2] 4.3.3 節)。
  4. TV-UA は URI 値をサポートするものとします (SHALL) ([CSS2] 4.3.4 節)。
  5. TV-UA はカウンタ値をサポートしてもかまいません (MAY) ([CSS2] 4.3.5 節)。
  6. TV-UA は以下の形式の色値をサポートするものとします (SHALL) ([CSS2] 4.3.6 節)。 TV-UA は他の形式の色をサポートしてもかまいません (MAY)。

同様に、CSS TV Profile では、適合するユーザエージェントに対して、[CSS2] で規定された文字符号化機構をサポートすることを必須とします。具体的には次のとおりです。

  1. TV-UA は、文書の文字符号化方式の決定にあたって、[CSS2] で規定された優先順序をサポートするものとします (SHALL)。
  2. TV-UA はCSS2 の @charset 規則をサポートするものとします (SHALL)。

6. プロパティ値の割り当て、カスケーディング、継承

全体的に、CSS TV Profile では CSS2 と同じカスケーディング規則を使用します。具体的には次のとおりです。

  1. TV-UA は CSS2 ([CSS2] 6.1 節) の記述どおりに値を割り当てるものとします (SHALL)。
  2. TV-UA は CSS2 ([CSS2] 6.2 節) の記述どおりに継承をサポートするものとします (SHALL)。
  3. TV-UA は CSS2 ([CSS2] 6.3 節) の規定どおりに CSS2 の @import 規則をサポートするものとします (SHALL)。
  4. TV-UA は 作成者によるスタイルシートをサポートするものとします (SHALL)。TV-UA は、ユーザやユーザエージェントによるスタイルシート ([CSS2] 6.4 節) をサポートしてもかまいません (MAY)。
  5. TV-UA は CSS2 のカスケーディング機構 ([CSS2] 6.4.1 ∼ 6.4.4 節) をすべてサポートするものとします (SHALL)。

7. メディアタイプ

CSS TV Profile に適合するユーザエージェントは、CSS2 ([CSS2] 7 節) で規定されているように、メディア依存のスタイルシートを処理できなければなりません (MUST)。具体的には次のとおりです。

  1. TV-UA は CSS2 ([CSS2] 7 節) の規定どおりに CSS2 の @media 規則をサポートするものとします (SHALL)。
  2. TV-UA はメディアタイプ tv を対象とするスタイルシートを受け入れ、処理するものとします (SHALL)。
  3. TV-UA は、メディアタイプ all を対象にしたスタイルシートを受け入れ、処理するものとします (SHALL)。
  4. TV-UA は他 (tv 以外) のメディア依存スタイルシートを含むスタイルシートを受け入れるものとします (SHALL)。
  5. TV-UA は他のメディアタイプ (screenprint など) を処理してもかまいません (MAY)。

TV-UA は、メディアタイプ tv に付随する CSS2 の適合性条文 ([CSS2] 7.3.1 節を参照) を満たす必要はありません。TV-UA が満たす必要があるのは、この仕様の適合性条文だけです。

8. 謝辞

この文書は、CSS 第 1 水準勧告と CSS 第 2 水準勧告、CSS3 Module: Color と CSS Mobile Profile 1.0 の派生物です。CSS1、CSS2、CSS3 Module: Color と CSS Mobile Profile の著作者、編集者、貢献者全員に感謝します。

CSS ワーキンググループのメンバーにも感謝します。特に Bert Bos、Chris Lilley と Tapas Kanti Roy らには、草案への直接のコメントを頂きました。

www-style@w3.org のすべての貢献者にも感謝します。特に ARIB、Akihiko Handa、Joel Zdepski、Etan Wexler、Kynn Bartlett、Björn Höhrmann、fantasai と Susan Lesch には草案に対して貴重なコメントを頂きました。

付録 A. 参照仕様

[CSS1]
Cascading Style Sheets, level 1、Lie H.W. と Bos B.、1996 年 12 月 17 日。入手先は http://www.w3.org/TR/1999/REC-CSS1-19990111 です。
[CSS2]
Cascading Style Sheets, level 2、Bos B. ほか、1998 年 3 月 12 日。入手先は http://www.w3.org/TR/REC-CSS2/ です。
[CSS3COLOR]
CSS3 Module: Color、T. Çelik と C. Lilley、2003 年 5 月 14 日。入手先は http://www.w3.org/TR/2003/CR-css3-color-20030514 です。
[HTML401]
HTML 4.01 Specification、D. Raggett、A. Le Hors、I. Jacobs、1999 年 12 月 24 日。入手先は http://www.w3.org/TR/1999/REC-html401-19991224 です。
[RFC2119]
Key words for use in RFCs to Indicate Requirement Levels、S. Bradner、1997年 3 月。入手先は http://www.ietf.org/rfc/rfc2119.txt です。

[訳注: 各仕様の日本語訳については、http://www.w3.org/2005/11/Translations/Query?lang=ja に情報がまとめられています]


翻訳: もとひこ <amotohiko_mozillafirebird@yahoo.co.jp>