アーカイバ・ランタイムなどのDLLのバックアップと復旧

■バックアップ

既に、別途DLLファイルが必要なソフトを使用している人は、DLLを手動でインストールしたり、ソフトのインストール時に自動的にインストールされているはずです。OSの再インストールなどで、以前インストールしたDLLを削除してしまうと、再度インストールする必要がでてきます。必要なら、次の主要DLLをバックアップしておきましょう。

「\Windows\System」フォルダ内にある、次のアーカイブ関連ファイル・ランタイム関連ファイルをコピーする。

  • UNLHA32.DLL, UNZIP32.DLL, UNARJ32J.DLL, ISH32.DLL, TAR32.DLL, CAB32.DLL, IZIP32J.DLL, ZCRYPT32.DLL, SFX32GUI.DAT, UNRAR32.DLL, UNRAR.DLL, mfc42.dll, MSVCRT.DLL, VB40032.DLL, VB4JP32.DLL, VB5JP.DLL, VB6JP.DLL

■復旧

コピーしたファイルを「\Windows\System」フォルダに戻す。

ダイアルアップネットワークの設定のバックアップと復旧

■バックアップ

ダイアルネットワークを開き、バックアップする接続アイコンをバックアップ先にドラッグ&ドロップ。「*.DUN」というテキストファイルがバックアップとして作成される。IDとパスワードは復旧後、入力する必要があるので、どこかに必ず控えておく。

■復旧

バックアップした「*.DUNファイル」をダブルクリックする。

外字(Windows付属の外字エディタで作成した文字)のバックアップと復旧

■バックアップ

Windowsフォルダ内にある「EUDC.TEE / EUDC.EUF」ファイルが外字エディタで作成したデータ。この2つのファイルをコピーする。

■復旧

MS-DOSモードでWindows起動して、元の場所に戻す。例えば、フロッピーディスク(Aドライブ)にファイルをコピーした場合は、次のコマンドを使う。

  • C:\>copy a:eudc.tee c:\windows
  • C:\>copy a:eudc.euf c:\windows
ハードディスクをまるごとバックアップする(D2F)

Windowsや、今までにインストールしたアプリケーション、メールのデータ、自作のデータ、設定などのデータを、すべてまるごとコピーしておく方法です。つまり、自分仕様のリカバリーCD(以下マイリカバリー)が作れるのです。現在の環境を、そのまま復旧できるため、たくさんのソフトをインストールしている人や、設定をたくさんカスタマイズしている人には重宝します。ですが、ハードディスクをそのままバックアップするため(もちろん分割保存できますが)、大容量記憶装置(HDD・MO・CD-RW・DVD-RAMなど)が必要です。

■予備知識

「D2F」は、MS-DOS上で動作するバックアップソフトです。FAT形式でフォーマットされたメディア(HDD、FD、MO等)が丸ごとバックアップできます。システム領域を含む全てのデータと、そのデータが格納されている物理的な位置を記録するため、Windows 95等のOS自体を保存することが出来ます。FDやMO等のリムーバブルメディアを用いた分割保存も可能で、簡単なコマンドでバックアップや復旧が行えます。DOS用ソフトなので、Windowsシステムが壊れた場合でも有効です。フリーソフトで、下記のリンク先から入手できます。

D2F・・・FAT32対応のバックアップツール

※ D2Fによるマイリカバリー作成のメリット

  1. OSのクリーンインストールより簡単で、早い
  2. ダイアルアップや各種カスタマイズ、周辺機器の設定が、そのまま有効に
  3. アプリケーションソフトやネット上からインストールしたソフトなどの再インストールの必要がない
  4. バックアップ、復旧が簡単

■下準備

  1. D2Fをダウンロードして、解凍しておきます。「D2F.txt」ファイルと「FAQ.txt」ファイルには目を通しておきましょう。
  2. 起動ディスクを用意します。手元にない場合は、「コントロールパネル」→「アプリケーションの追加と削除」→「起動ディスク」タブから、起動ディスクを作成します。
  3. 作成した起動ディスクに、解凍した「D2F.exe」ファイルをコピーします。

■バックアップ

  1. 下準備で作成した起動ディスクを、FDDに入れパソコンを再起動します。
  2. MS-DOSが立ち上がったら、次のコマンドを入力します。

    d2f s [drive] [path]  (drive:バックアップするドライブ、path:バックアップ先のドライブとファイル名)

    ※ 例:「d2f s c: d:」  (バックアップ先のファイル名を省略した場合は、DISKSAVE.DATというファイル名で保存されます。)

  3. 作成された「DISKSAVE.DAT」をCD-Rや、MOなどに保存してもいいでしょう。

※ 分割する場合は、[2]で次のように入力します。数字の部分には適当な値を指定します。

d2f s c: d: /size=640M

すると、分割ファイル「DISKSAVE.DAT DISKSAVE.001 DISKSAVE.002・・・」が作成されるので、それぞれ保存します。

■復旧

  1. バックアップしたハードディスクをフォーマットします。
  2. 下準備で作成した起動ディスクを、FDDに入れパソコンを起動します。
  3. MS-DOSが立ち上がったら、次のコマンドを入力します。

    d2f r [drive] [path]  (drive:復元先のドライブ、path:バックアップファイルのファイル名(パス))

    ※ 例:「d2f r c: d:」  (バックアップ元のファイル名を省略した場合はDISKSAVE.DATというファイル名が復元されるファイルとなります。)

Windowsの再インストールをするので、今の環境を出来るだけ保存したい。

Windowsの再インストールのたびに、アプリケーションのインストールや、多くの設定項目を自分仕様に変更するのは、大変面倒です。せめて、自分用の設定項目だけでも、バックアップしたいものです。設定だけなら、バックアップデータは比較的小さくて、大容量の記憶装置などを、別途用意しなくて済むでしょう。さらに、圧縮解凍ソフトを用いれば、より小さいサイズで済みます。フロッピーやCD-Rなどに、以下の項目を保存しておき、OSや以前使用していたアプリケーションのインストールが終了したら、復旧しましょう。

■システムファイル

Windowsが不安定になった時、システムファイルを以前のファイルに復旧する事で、元に戻る場合があります。ですが、場合によっては余計におかしくなってしまう事もあるので、復旧前のファイルもバックアップしておきます。万一、復旧が上手くいかなかった場合、このファイルを使って、復旧前の状態に戻します。また、不安定になったといっても、すべてのファイルを復旧するのではなく、原因と思われるファイルのみを復旧してください。もちろん、システムが原因ではない場合などは、システムファイルはいじらないほうがいいです。以下に、バックアップするWindowsのシステムファイルを挙げておきます。これらのファイルのほとんどは、テキスト形式ですので、不具合が出たときは、まず、バックアップファイルと比較して見てください。そうして、お互いのファイルの相違箇所を見つけ、不安定になっている原因を特定する事が大切です。

Autoexec.bat
MS-DOSやWindows3.1のアプリケーションの互換性を保つためのファイルです。このファイルは主にMS-DOSの設定や「Config.sys」で組み込まれたドライバの設定、アプリケーションを起動させたりするコマンドが書かれています。
Config.sys
MS-DOSやWindows3.1のアプリケーションの互換性を保つためのファイルです。このファイルはDOSの機能を拡張したり、ハードウェアを動かすソフト(ドライバ)を組み込んだりする設定が書かれています。
Io.sys
コンピュータの起動時に必要な情報を持つシステムファイルです。Windowsが起動する際、一番はじめに「Msdos.sys」と共に読み込まれます。このファイルが壊れてしまうと起動すらできなくなってしまいます。
Msdos.sys
システムの場所などをテキストで記述してある、Windowsの特殊情報を収めたファイルです。Windowsが起動する際、一番はじめに「Io.sys」と共に読み込まれます。このファイルが壊れてしまうと起動すらできなくなってしまいます。
Command.com
MS-DOSのコマンドをコンピュータのコマンドに翻訳するコマンドインタープリタです。
Win.ini
Windowsの起動時に読み込むファイルです。Windowsの設定やインストールしたアプリケーションの設定が書き込まれています。アプリケーションをアンインストールした時に、このファイルに記載されてる情報が、正しく削除されないと不安定になることがあります。
System.dat / User.dat
レジストリの本体です。似た名前で、System.da0 / User.da0という、Windowsが一番最後に、正常に起動した時のバックアップファイルがあります。そこで、不安定時には、これらのファイルを復旧すればいいように思えます。ですが、不安定でも起動してしまえば、正常に起動したと認識されて、これらのファイルは書き換えられてしまうので、やはり事前のバックアップは必要です。
System.ini / Protocol.ini
詳細は省略します。

■Windowsの設定

標準以外のデスクトップの壁紙や、スクリーンセイバー、サウンド、アイコンなどを使用している場合、これらをバックアップします。

■新しく作成したファイル

インターネットからダウンロードした、ソフトや画像、周辺機器のドライバなど。アプリケーションで作成した、ドキュメントファイル。(拡張子の例:doc / xls / jpg / bmp / htm / html)

■その他

メーラーの、アドレス帳や連絡先。ブラウザのお気に入り(ブックマーク)。IMEの辞書ファイル。さらには、オンラインソフトの設定などをバックアップします。全ては、紹介しきれませんが、以下に、主なものを挙げておきます。順次、追加していくつもりです。

「スタートメニュー」の中身をカスタマイズしたのですが、たびたび元に戻ってしまいます。

トラブルがおきると、「スタートメニュ」ーの内容がリセットされ、元の状態に戻る事があります。メニューを自分仕様にカスタマイズしている方は、スタートメニューの設定を保存しておきましょう。

■バックアップ

  1. ルートディレクトリ(OSのインストールされたドライブ)にある「Windows」フォルダを開く
  2. 「スタートメニュー」フォルダをコピーする

■復旧

コピーしたフォルダを元の場所に上書き保存する

レジストリチェッカーでレジストリのバックアップをする

■バックアップ

  1. 「スタート」メニュー→「ファイル名を指定して実行」をクリック
  2. 「名前」欄に「scanregw」と入力→「OK」をクリックして、レジストリチェッカーを起動する
  3. 「バックアップを作成しますか?」と聞かれるので、「はい」をクリック
  4. 「レジストリのバックアップが完了しました」と出たら、「OK」をクリックして完了

■復旧

レジストリが原因で、Windowsが正常に起動しなくなった場合、レジストリチェッカーでMS-DOSモードからレジストリを復旧する事が出来ます

  1. パソコンの電源を入れ、メモリチェックが終了したところで、[Ctrl]キーを押し続ける

    ※ Windows 95の場合は「Starting Windows 95」、PC-98では「Windows 95を起動しています...」と表示されたら[F8]キーを押す

  2. 起動メニューが表示されたら、「Command Prompt Only」を選んで[Enter]キーを押す

    ※ PC-98では「コマンドプロンプトのみ」を選んで「リターン」キーを押す

  3. MS-DOSモードでパソコンが起動し、[A:\>]と表示されるので、[scanreg /fix]と入力し、パソコンを再起動する

    ※ [scanreg /fix]を「スタート」メニュー→「ファイル名を指定して実行」で行うと、レジストリの再構築が行われる

※ 修復がうまくいかない場合

  1. MS-DOSモードで、[A:\>]が表示されたら、[scanreg /restore]と入力して、バックアップファイルの一覧を表示する
  2. 「起動済み」と表示されているものから、「rb00*.cab」の「*」の数字が最も大きいものを選択して「R」キーを押す

    ※ 「起動済み」がなければ、「未起動」でもよい

  3. 「状態の良いレジストリの復元-完了」ダイアログでエラーがなくなったと表示されたら[Enter]キーを押してパソコンを再起動する
すべてのレジストリをまとめてバックアップする

Windowsの設定情報を管理しているレジストリはシステムファイルの中でも重要なものです。設定変更やファイルの削除などを行った事で、何か不具合がおきてしまった時のために、レジストリのバックアップをしておきましょう。

■バックアップ

  1. 「スタート」メニュー→「ファイル名を指定して実行」をクリック
  2. 「名前」欄に「regedit」と入力→「OK」をクリックして、レジストリエディタを起動する
  3. [マイ コンピュータ]キーを選択し、メニューから「レジストリ」→「レジストリファイルの書き出し」を選ぶ
  4. 適当に半角のファイル名を入力し、保存先に作成済みのバックアップ専用フォルダを指定する
  5. 「保存」ボタンをクリック

■復旧

Windowsに不具合があっても、何とか起動できる状態であれば、保存したファイルを実行すれば、レジストリが復旧されます。ですが、レジストリが原因で、Windowsが正常に起動しなくなった場合、MS-DOSモードからレジストリを復旧する必要があります。レジストリのバックアップファイル名を半角にしたのはMS-DOSモードで指定するからです。

  1. パソコンの電源を入れ、メモリチェックが終了したところで、[Ctrl]キーを押し続ける

    ※ Windows 95の場合は「Starting Windows 95」、PC-98では「Windows 95を起動しています...」と表示されたら[F8]キーを押す

  2. 起動メニューが表示されたら、「Command Prompt Only」を選んで[Enter]キーを押す

    ※ PC-98では「コマンドプロンプトのみ」を選んで「リターン」キーを押す

  3. MS-DOSモードでパソコンが起動し、[A:\>]と表示されるので、以下のように入力する

※ 以下のコマンド入力中に表示される、上書きの確認メッセージには、すべて[Y]キーを押します。

cd \windows
attrib -h -s -r system.dat
attrib -h -s -r system.da0
copy system.da0 system.dat
attrib -h -s -r user.dat
attrib -h -s -r user.da0
copy user.da0 user.dat
win
レジストリをバックアップする

レジストリの編集によって、より詳細な設定が出来るようになります。その反面、誤った操作をすると、Windowsが起動できなくなってしまう可能性も高くなります。万一を考えて、レジストリ編集の前には、必ずバックアップをするようにしましょう。

●Windows付属の「レジストリチェッカー」を使う

  1. 「スタート」メニュー→「ファイル名を指定して実行」をクリック
  2. 「名前」欄に「scanreg / backup」と入力→「OK」をクリックして、レジストリのバックアップを作成

※ 復旧する場合は、MS-DOSモードで再起動して「scanreg / restore」とコマンド入力します。

●レジストリ情報の書き込まれたファイルをコピーする

  1. Windowsがインストールしてあるフォルダを開く
  2. 「system.dat」と「user.dat」というファイルをコピーする

※ 復旧する場合は、コピーしたファイルを元のフォルダに戻します。

●レジストリエディタのメニューから「レジストリの書き出し」をする

  1. 「スタート」メニュー→「ファイル名を指定して実行」をクリック
  2. 「名前」欄に「regedit」と入力→「OK」をクリックして、レジストリエディタを起動する
  3. メニューから「レジストリ」→「レジストリ ファイルの書き出し」をクリック
  4. 「ファイル名」と「保存場所」を適切に設定し、「書き出し範囲」欄で「すべて」をチェック
  5. 「保存」をクリックして、完了

※ 復旧する場合は、メニューから「レジストリ」→「レジストリ ファイルの取り込み」をクリックするか、作成したバックアップファイルを右クリック→「結合」をクリックします。ただし、レジストリの「結合」・「取り込み」では、バックアップ以降に変更・削除した値は復旧しますが、追加した値は削除されませんので注意してください。